2019年3月2日に、糸島・前原(まえばる)商店街に2台のベンチを設置しました。 多くの方々のご協力の元で無事完成することが出来ました。 ありがとうございます! ベンチの完成報告&協賛者ご紹介は次の記事にてご紹介しております。
この記事では、商店街ベンチ完成までのスケジュールをダイジェストでご紹介したいと思います。
2018.03.01 商店街ベンチプロジェクトスタート
私たちは毎月1日の朝8時から、前原商店街のみなさんと一緒に、街のお掃除ボランティアをしています。
3月1日にたまたま参加されたNPO法人いとなみの藤井さんは、糸島の荒れた森に関心を持っておられ、杉の間伐をして、その使い道を探しておられました。
私たちも商店街の活性化のために、気軽に誰でも使えるベンチが必要じゃないかという話をしていて、糸島の杉の間伐材を使ってベンチを作ろうという流れになりました。 前原商店街ベンチプロジェクトの誕生です。
2018.07.20 ベンチデザイン募集スタート
糸島市観光協会前に置くベンチのデザインは一般公募することで、プロジェクトへの関心を高めようと考えました。
ベンチデザインは子供部門と大人部門があり、30点を超える応募がありました。本当にありがとうございました! ちなみに、上のイラストは糸島在住の作家・みやたちひろさんにお願いしました。素敵なイラストをありがとうございました!
2018.08.22 クラウドファンディングスタート
木を山から切り出すにも、ベンチを作るにもやはり資金が必要ですので、それを賄うためにクラウドファンディングを活用しました。
募集期間は1ヶ月でした。
地域の課題を地域で解決しよう!という試みで、一生懸命取り組みましたが、なかなか浸透せず、予算は残念ながら達成できませんでした。
しかし多くの方のご協力があり、少なくないお金が集まりましたので、それを活用して出来る限りベンチを作ることにしました。
2018.09.23 観光協会前ベンチ選考会
JR筑前前原駅前に位置する「糸島市観光協会」に設置するベンチは、公共性が高いため、多くの有志の市民の方々にお集まり頂き、公開選考会を開催しました。
大学教授の坂口さん、友人の松本さん、麻と木と・・・の溝川さん、Studio Kuraの松崎さん、NPOいとなみの藤井さん、観光協会木工作家、観光協会副会長の高田さん、木工作家の浦田さん、よかごつの大堂さん。 お忙しい中お集まり頂き、本当にありがとうございました! 本当に真剣な話し合いの中で、観光協会前に置くベンチを決めさせてもらいました。 ベンチは糸島中に置いたら、本当にみんなに喜ばれる!という話も出て、ベンチの可能性の大きさも感じる選考会でもありました。
2018.10.21 糸島の山から杉の間伐材を切り出し
NPOいとなみさんは、皮むき間伐という特別な手法を用いて、糸島の一部の森の管理を手がけておられます。
戦後、安い輸入材に押されて、杉を植えながらも活用されなかった森が日本中に広がっています。もちろん糸島にもです!
荒れ果てた森は災害に弱く、春には大量の杉花粉を飛ばし、花粉症の原因にもなっています。 しっかりと活用する道筋や森を管理する価値を、多くの人と共有するのが大切です。
日本の木材を使おう!と言っても、急斜面に立つ杉の木を切り出して、下界に持ち出すのは本当に一苦労。
怪我や事故の危険性もとても高いです。
なんとか切り出して、糸島の木工体験実習館「トンカチ館」で製材・乾燥を行います。
皮むき間伐という、水分量を立ったまま減らせる珍しい手法を用いていますが、やはり木材は切り出した状態では多量の水分を含むので、すぐに加工は出来ません。
反りや曲がりにつながるので、数ヶ月から1年は乾燥させて、ちゃんと使える材にする必要があります。
本当に手間ひまがかかります。
約1ヶ月後に様子を見に行った時の写真がコチラです!
切り出しても製材の過程で、使える材とそうでない材に分かれてしまいます。
苦労して山から持ってきても、全部が全部使えるわけではないんですね。。。
今回は特に間伐材という比較的小さな材を使っているので、なおさら使いづらい部分が出てしまいます。出来る限り活用するというのも今回のプロジェクトの肝でもあります。
2018.12.07 作家さんと打ち合わせ
材の乾燥がある程度進んだところで、材の状態を確認しながら、作家さん(CLAP山本さんとmoqu cOmo薦田さん)と打ち合わせを行いました。
使える材が思った以上に少なくなったのを受けて、まずは2台作ってみましょう!となりました。さらに1、2台はベンチを一気に作りたかったのですが・・・
なかなか思ったようにはいきませんね・・・・
他にもお声かけしていた作家さんやデザイナーさんたちにはお待たせすることになり申し訳なかったです。
でもとりあえず2台分の木材は確保出来ました。良かったです。
約3週間後の年末に、それぞれの作家さんの元へ運びました。
上記のリストは作家さんが描いた図面を元に割り出した、必要な材料の寸法と数です。 ベンチはどちらも大作なので、相当数の木材を使いました。
トラックに乗せて運びました。
2019.02.16 工房見学会
2019年3月2日のベンチのお披露目会をしましょう!となりました。
せっかくなので、完成前に作っている光景を知って欲しいと思い、デザインした吉村さんのご家族をお招きし、家具工房CLAPの山本さんを訪れました。
2月16日時点ではまだベンチの形にはなっていませんでした。
やはり反り出るのをなるべく抑えるため、少し削っては乾燥させ、少し削っては乾燥させを繰り返して、材の状態を出来る限り良い状況にしようと最大限の努力をされておられました。
本当にすごいプロ魂です。
感動しました。
きっと吉村さんご家族にもそれは伝わったと思います。
一方、moqu cOmoの薦田さんも同じ頃、以下のような感じで作業されておられました。
おお、美しい状態ですね。
2019.03.02 ベンチ完成&お披露目会
別記事でもご紹介しましたが、以上の流れを経て、無事2019年3月2日にベンチは完成しました。
本当に1年がかりでしたが、多くの方の支えのおかげでここまで漕ぎ付けることが出来ました。
深く感謝いたします。
あと1台なんとか作りたいなとは思っていますが、材料が足りないので、どうするか・・・というところです。
まずは完成した2台のベンチが市民のみなさま、観光客のみなさまに大切に、そして自由に使って頂ければと思っております。
これらのベンチをきっかけに、やまの問題に関心を持ってくれる人が一人でも増えて、そして前原の商店街を舞台に、新しい様々な交流が生まれたらなぁと思います。
本当にありがとうございました!
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